崇峻天皇御書(三種財宝御書)2009:12月号大白蓮華より。先生の講義
「心の財第一」こそ人生勝利の要諦
「心の財第一なり」
「心の財をつませ給うべし」
この一節は、日蓮大聖人が、苦境のさなかにいる門下・四条金吾に贈られた勝利への最大の指針です。
「心」こそ、人生の最高の「財宝」です。それは、「心」の中に、偉大な可能性と無上の尊極性が具わっているからです。
「心」は、いくらでも広がります。また、いくらでも深められます。そして、いくらでも強くなります。
文豪・ヴィクトル・ユゴーは述べました。
「海洋よりも壮大なる光景、それは天空である。天空よりも壮大なる光景、それは実に人の魂の内奥である」
人生をよりよく生きるために、内なる心の世界をどう広げゆくか。いかに心を鍛え、「心の財」を積んでいくか。そのために妙法があるのです。
日蓮大聖人は本抄の後半で「心の財第一」と教えられています。真の人生の勝利のためには、妙法への信心による仏性の内薫こそが、最高の財宝である。このことを絶対に見失ってはならないという重大な御指導をされています。
本抄をいただく2ヵ月前、四条金吾は主君・江間氏から所領没収という最大の危機に直面しました。金吾は所領を捨てても法華経の信心を貫くとの決意に立ちました。大聖人は、その心を賞讃されるとともに、「いかなる乞食にはなろうとも絶対に法華経に傷をつけてはならない」と仰せになられています。
実は、この御指導こそ、所領よりも、武士としての立場よりも、信心という「心の財」こそ第一なりとの信仰者の根本規範を教えられているのです。事実、金吾がその通りに戦うと、逆教の中に光明が差し込みました。すなわち、病気になった主君の看病を契機に、主君からの信頼が回復するのです。反対に、金吾を苦しめてきた敵対者たちには罰の結果が出ました。
本抄では、この勝利の第一歩を踏み出しえたのは「内薫外護」の原理によると明かされ、金吾の信心を讃嘆されています。
四条金吾が不退転の信心に立ち上がったときに、仏性が薫発したのです。「内薫」の力によって、諸天善神が動き、主君が再び金吾を用いるという「外護」の結果がうまれたのでした。
しかし、金吾を取り巻く状況は、まだまだ険しい状況にあった。
勝利を確固たるものにするために、大聖人は本抄で様々な注意を繰り返されます。襲撃に対しての用心を怠らないこと、対人関係では驕らず誠実に振る舞うこと。兄弟や同志とは仲良くして見方をつくっていくこと等々、こまごまと指導されています。金吾の弱点である「短気」の性格を戒め、油断をしたり、周囲との亀裂をつくって、勝利の流れを破壊することがないように、厳重に注意されたのです。
揺るぎなき勝利へ至るためには、本格的な宿命転換の挑戦が不可欠です。それは、自身の無明の生命を破る人間革命の実践でもあります。油断は大敵です。慢心に流され、「戦う心」を失ってしまえば、再び、自身の無明の弱点が現れてしまいます。
そのために大聖人は念を押され、どこまでも信心こそが最高の財宝であると徹しておしえられます。今回は「心の財第一」の仏法哲理を、あらためて拝していきたいと思います。