崇峻天皇御書(三種財宝御書)

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崇峻天皇御書(三種財宝御書)

 建治3年(ʼ77)9月11日 56歳 四条金吾

  1. 背景と大意
  2. 第一章(内薫外護の法門を挙げる)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. 仏法の中に、内薫外護と申す大なる大事ありて宗論にて候
  3. 第二章(正法を妨げる者の罰を示す)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
  4. 第三章(護身の注意を促す)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. いかに大事と思へども、腹あしき者をば天は守らせ給はぬと知らせ給へ
  5. 第四章(同志の団結を強調)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. 濁世には聖人も居しがたし……且くはこらふるやうなれども、終にはやけくだけて灰となる。賢人も五常は口に説きて、身には振舞いがたし云云
      2. 日蓮と法華経とを信ずる人人をば、前前彼の人人いかなる事ありとも、かへりみ給うべし
      3. 殿は腹悪き人にて、よも用ひさせ給はじ。若しさるならば、日蓮が祈りの力及びがたし
  6. 第五章(主君の信頼は法華経の故なるを示す)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. 設い千万の財をみちたりとも、上にすてられまいらせ給いては、何の詮かあるべき
      2. とくとく此の四人かたらひて日蓮にきかせ給へ。さるならば強盛に天に申すべし
  7. 第六章(同じく地獄なるべしの事)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. 設い殿の罪ふかくして地獄に入り給はば……同じく地獄なるべし
      2. 日蓮と殿と共に地獄に入るならば、釈迦仏・法華経も地獄にこそをはしまさずらめ
  8. 第七章(心の財を積むことを勧む)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. 百二十まで持ちて名をくたして死せんよりは、生きて一日なりとも名をあげん事こそ大切なれ 
      2. 蔵の財よりも身の財すぐれたり。身の財より心の財第一なり 
  9. 第八章(崇峻天皇の事)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. されば王位の身なれども、思う事をばたやすく申さぬぞ 
  10. 第九章(人の振舞いの大切なることを示す)
    1. 本文
    2. 現代語訳
    3. 語釈
    4. 講義
      1. 一代の肝心は法華経、法華経の修行の肝心は不軽品にて候なり 
      2. 不軽菩薩の人を敬いしはいかなる事ぞ。教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候いけるぞ 

背景と大意

本抄は、建治3年(1277年)9月、身延において認められ、鎌倉に住む四条中司三郎左衛門尉頼基(通称・四条金吾)に宛てられたお手紙です。

文永11年(1274年)頃から、四条金吾は主君である江間氏を大聖人の教えに帰依させようと折伏を重ねていました。しかし江間氏は良い反応を示さず、かえって金吾の所領を削り、遠く離れた越後国へ左遷すると脅しました。また、同僚たちは金吾に関する中傷や悪評を言いふらし、建治3年(1277年)6月、天台宗の僧・竜象房が大聖人の弟子・三位房に論破された「桑ヶ谷問答」において、金吾が騒動を煽ったとして訴えられてしまったのです。

日蓮大聖人は四条金吾に注意を促し、こうした厳しい状況下における最善の振る舞いについて具体的に指導されています。同年の暮れ、主君の江間氏が病に倒れると、金吾は医術の知識を生かして治療にあたり、主君の病を治しました。主君は大変感謝し、翌1278年には金吾の所領を元に戻し、後にさらに領地を加増しました。

本抄の冒頭で、大聖人は金吾に対し、主君への恩義を忘れてはならないと強調され、自身の内面における根本的な変革が、必然的に周囲の環境の変化をもたらすという仏法の法理を示されています。また、竜の口の法難で大聖人が処刑されそうになった際、金吾が共に死ぬことを誓ったことに触れ、今、金吾が厳しい試練に直面している中で、大聖人自身も彼を守るためにあらゆる力を尽くしていると認められています。そして、人間として生まれ、正法に巡り合うことができた幸運に感謝し、「心の財」を積み、人々の尊敬を勝ち得るべきであると教えられています。最後に、崇峻天皇などの歴史的な先例を引きながら、仏法者として日常の振る舞いを立派にし、他者への思いやりを持つべきであることを指導されています。

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