小蒙古御書

小蒙古御書

 弘安4年(ʼ81)6月16日 60歳

 小蒙古の人、大日本国に寄せ来るのこと。我が門弟ならびに檀那等の中に、もしは他人に向かい、はたまた自ら言語に及ぶべからず。もしこの旨に違背せば、門弟を離すべき等の由、存知せるところなり。この旨をもって人々に示すべく候なり。
  弘安四年太歳辛巳六月十六日    花押
 人々御中

 

現代語訳

小蒙古の人が大日本国に攻め寄せくるのことについて、我が門弟や檀那等のなかに、もし他人に向かって、あるいはまた自らも、日蓮の諌言を用いないで罰であるなどという言葉をはいてはいけない。もしこの旨に違背するならば門弟を離すということを承知しておくように。この旨を弟子門下に示すべきである。

弘安四年太歳辛巳六月十六日                花押

人 人 御 中

 

語句の解説

檀那

布施をする人(梵語、ダーナパティ、napati。漢訳、陀那鉢底)「檀越」とも称された。中世以降に有力神社に御師職が置かれて祈祷などを通した布教活動が盛んになると、寺院に限らず神社においても祈祷などの依頼者を「檀那」と称するようになった。また、奉公人がその主人を呼ぶ場合などの敬称にも使われ、現在でも女性がその配偶者を呼ぶ場合に使われている。

 

講義

 

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